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令和に変わる!元号が会計に及ぼす影響とは?

カテゴリ:税務・経理・決算

/公開日:2019年4月18日

天皇陛下の即位に伴い、変わる元号。平成から令和へと、新しい時代を思わせ、気持ちも一新しますが、年度の表記方法には和暦と西暦とが存在するため、書類の作成時には面倒に感じる場面もあるでしょう。

今回は元号が変わることによる会計への影響を考えてみましょう。

会計

税務書類への影響

税務署等へ提出を行う申告書や届出書、納付書は、一般的に和暦で年度を記載するように求められています。つまり元号が変わることで、税務書類は表記上、影響を受けるといえます。どのような影響と対策があるかご紹介致します。

既に手元にある、未使用の申告書や届出書、納付書

税務署等から入手をした申告書や届出書、納付書には、和暦である平成という文字が印字されていて、年度の部分のみを手書きするような書式のものが多くあります。同じ元号である間は年度の部分を書き換えるだけで、何年も使用することが出来ました。

これらの手元にある書類が使用できなくなるのでは、と心配されている方もいるかと思いますが、これらは平成と印字されている部分を令和と書き換えることで今度も使用することが出来ます。二重線で訂正をして、訂正印は不要です。

また税務署は随時令和と表記された新しい書式の申告書や届出書、納付書を作成するとしています。

申告ソフトへの影響

申告ソフトを会社で使用をしている場合、現状のソフトの状態では和暦の表記は平成のままとなります。

この表記を令和にするためには、申告ソフトのバージョンアップが必要です。申告ソフトの種類によって令和対応のバージョンが提供されるタイミングや、そのバージョンアップ方法が異なりますので、確認が必要です。

また、弊社をご利用頂いているお客様は、弊社でバージョンアップに対応を致しますので、確認は不要です。

和暦を間違えて申告書や届出書、納付書を提出した場合

令和以降も平成表記で思わず記載してしまい、気が付かずに税務書類を提出してしまうこともあるでしょう。平成30年が31年に変わる時でさえも、31年と記載すべきところを30年として記載してしまう間違いは往々にしてあることです。

令和以降の和暦を平成と記載してしまった場合、その申告書や届出書、納付書が効力を持たない、ということはありません。平成31年4月2日に発表された国税庁からのお知らせでも、令和元年6月1日と記載すべき書類を平成31年6月1日と記載し提出を行っても、有効な書類として取り扱う、という内容が発表されています。

新元号に関するお知らせ

 天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)に基づく皇位の継承に伴い、本年5月1日から元号が改められる予定です。
 新元号への移行に伴い国税庁ホームページや申告書等の各種様式を順次更新してまいります。
 なお、納税者の皆様方からご提出いただく書類は、例えば平成31年6月1日と平成表記の日付でご提出いただいても有効なものとして取り扱うこととしております。

(参考)元号表示を西暦で表記すると以下のとおりとなります。

平成31年…2019年
平成32年…2020年

平成49年…2037年

引用元:国税庁

現在使用しているソフトへの影響

税務署等へ提出を行う申告書や届出書、納付書のみならず、取引先へ発行する請求書や、社内の給与計算などに、ソフトを使用し、和暦表示を使用している場合は、令和表記が出来るようにしなくてはなりません。令和表記をさせるためには、アップデートもしくは新規の購入が考えられます。

ソフトのアップデート、改修

申告ソフトと同様に、現状のソフトの状態では和暦の表記は平成のままとなるため、各ソフトのバージョンアップが必要です。ソフト毎に確認が必要です。

外部から購入したソフトの無料バージョンアップで対応出来るようでしたら、時間や金銭の負担はわずかですが、自社作成のソフトの大幅改修に時間の負担分としての人件費、改修部品に関する消耗品費の負担があるようでしたら、その負担した金銭分について資産計上をすることが可能です。

会社が作成したソフトウェアについては、維持や管理のために支出した分については、修繕費として計上が認められますが、新たな機能の追加のために支出した分については、ソフトウェアとして資産計上することが出来ます。和暦の変更機能は新たな機能の追加に該当すると考えることが出来ますので、ソフトウェアとして資産計上をします。

ソフトの新規購入

外部から購入したソフトがアップデート出来ない場合等、和暦が変わることを契機としてより使いやすいソフトを新規購入することも考えられます。

ソフトを新規購入した場合は、ソフトウェアとして原則資産計上しますが、10万円未満である場合は他の固定資産と同様に取得した年の経費として計上をすることが出来ます。多くの場合は消耗品費として計上をします。10万円以上20万円未満のものであれば、一括償却資産として3年間の均等償却、30万円未満のものであれば中小企業者の少額資産の特例により一括償却、等の取り扱いも他の固定資産と同様です。

ただし、会社が作成したソフトウェア、新規購入したソフトウェア、共に償却において特例を使用しないソフトウェアとして計上した場合の償却は、償却方法や償却年数は選ぶことが出来ず、5年に渡って均等償却を行います。

その他の影響

 会計処理や給与計算を行う経理担当者への影響を上記ではご紹介しましたが、その他にも和暦表示をしているものは多く社内にあるかと思います。また和暦表示は公的機関に提出する書類の多くに求められていますが、一般向けの書類や社内で配布する書類について、和暦表示と西暦表示のどちらが良い、という定めはありません。

令和への対応が難しいものがあれば、社内で西暦表示をするという決まりを設けるのも一つの方法です。現状は海外取引のある会社は社内文書も西暦が多く、海外取引のない会社は社内文書に和暦を使う場合が多いと言われています。

パソコンの対応

多くの方がExcelやWordで使用しているOffice製品や、Windows等随時更新プログラムが配信される予定です。マイクロソフト社等の情報に留意をしてください。

パンフレット等の印刷物

令和元年6月1日に行う予定のイベント案内のパンフレットに、平成31年6月1日、と記載して配布を行っていないか、など確認をする必要があります。既に相手の手元にあるようでしたら、和暦を差し替えたものを改めて配布をすると好印象かもしれません。まだ自社にあるようでしたら、印刷をし直すと良いでしょう。

令和元年以降に印刷する書類も、平成表記にならないように注意が必要です。

時計やカレンダーの電子機器

パソコンのみならず、カレンダー機能を搭載している時計等は和暦を表示することが出来るものがあります。辺りを見回して、平成表記がされているものがあれば、令和表記に直すことが出来るのか、買い替えが必要かなど逐一確認をする必要があります。

まとめ

令和が良い時代になるように、と誰もが願い気持ちが一新するものですが、平成表記であるものを令和表記に変えるには多くの確認作業が必要で、会社には多くの負担が発生します。

間違えて平成を使い続けることで他社に迷惑をかけるという場面は想定しにくいですが、和暦への対応が遅ければ遅い程、会社の本来の業務内容やサービスの対応も遅いのでは、と周囲からの信用を落としてしまいかねません。

和暦表示が求められていないものは、西暦表示に今後統一するなどの社内文書規定を作成する対応も考えられますが、会計処理や給与計算など行う経理担当者は、和暦を使わなくてはならない場面が多く、何らかの対策が必要でしょう。それは税務書類のみならず、市区町村役場、年金事務所などの公的機関の多くが和暦表示での書類の提出を求めているためです。

会計ソフトや申告ソフト、またパソコンなど、電子機器関連についてはそのサービスの提供会社の情報に留意をして、随時アップデートや買い替えの検討を行いましょう。
電子機器関連のみならず、身の回りに令和表記すべきものが無いかを確認し、令和元年以降に平成31年を使用し続けることが無いように注意したいところです。

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