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リスケジュールを成功させる経営改善計画の策定について解説

カテゴリ:税務・経理・決算

公開日:

「銀行借入の返済を先延ばしにしたい」
資金繰りの苦しい企業にとっては切実な悩みといえるでしょう。

リスケジュールにより返済猶予(先延ばし)が可能ですが、金融機関は簡単に応じてくれません。

そこで、経営改善計画を策定し、「リスケジュール後に必ず完済できる」ということについて融資担当者を説得する必要があります。そこで、リスケジュールを成功させる経営改善計画の策定、経営改善計画書の作成方法、認定支援機関の活用法について解説します。

経営改善計画とは

経営改善計画とは、文字通り経営を改善するための計画のことを指し、作成することで企業はメリットが得られます。

経営改善計画の目的

経営改善計画の目的はリスケジュールであり、資金繰りが苦しくなった場合に最初に着手すべき事項になります。仮に従業員が退職したり商品やサービスの供給がストップしたりすれば、経営が困難になってしまいます。

つまり、リスケジュールは倒産リスクを下げるのに適しています。

認定支援機関の力を借りる

経営改善計画は企業と認定支援機関が共同で策定します。リスケジュールを成功させるためにも認定支援機関を上手に活用することがポイントになってきます。

専門家費用に補助金が支給される

経営改善計画書の作成を依頼する認定支援機関に対する計画策定費用およびフォローアップ費用の総額のうち、3分の2(上限200万円)の補助金を各都道府県の経営改善支援センターが支給します。

他にもメリットがある

経営改善計画を作成し実行するプロセスで、リスケジュールに資金繰りが楽になるだけなく、経営を改善することができます。おもなメリットは次の通りです。

(1)売上アップ、コスト削減により業績が回復する

(2)金融機関、取引先からの信頼回復

(3)従業員のモチベーションアップ

(4)生産性が向上

(5)計画策定後も認定支援機関から継続的にフォローアップが受けられる

事例

(1)即席めん製造業
中小企業診断士に経営改善計画の作成を依頼し、複数の借入金を一本化することで返済額が減少した事例であり、経営改善計画のおもな内容は次の通りです。

◆経営戦略の見直し
◇高利益率品目の販売強化施策の実行
◆営業活動内容の共有に向けた取組施策の設定
◇計数・借入金返済計画

(2)飲食業
顧問税理士に経営改善計画の作成を依頼し、長期借入金の返済のめどが立ち、資金繰りの懸念が解消された事例であり、経営改善計画のおもな内容は次の通りです。

◇経営戦略・営業戦略の見直し
◆アクションプランの設定
◇資金繰り管理の実施(税理士と連携)
◆計数・借入金返済計画

経営改善計画書の作成ポイント

リスケジュールを成功させるためには金融機関に対して、返済できることについて説得力を持たせることに尽きます。そこで、融資担当者の心証をよくする経営改善計画書の作成ポイントについて説明します。

実現性の高い経営改善計画と認めさせる条件

策定した経営改善計画について実現性の高いと認めされる条件は次の通りです。

(1)10年以内に債務超過を解消する
債務超過とは、仮に資産の全額を借入金の返済や債務の支払いに充てたとしても、なお債務が残る状態のことを指し、自己資本がマイナスであることを意味します。10年以内に債務超過を解消する経営改善計画の策定が求められます。

(2)売上目標や利益目標の8割以上は達成される
経営改善計画の策定通りに経営が改善されているという目安は、売上目標や利益目標の8割以上達成できているかどうかになります。

(3)15年以内にすべての債務を返済する
リスケジュールの実施後に利益を獲得し、15年以内のすべての債務を返済できる経営改善計画の策定が必要になります。

企業存続の成功要因と業績の悪化原因の分析

企業存続の成功要因と業績の悪化原因を分析することで、経営改善の方針が見えてきます。そこで、次の視点から分析することをおすすめします。

(1)沿革
企業の沿革を知ることは、成功要因と悪化原因を効率よく分析するのにつながります。1年ごとに次の項目に分けて、沿革を見ていきましょう。

イベント:設立、大口の得意先との取引開始など
ヒト:従業員数の推移など
モノ:新規出店、支店開設、多額の設備投資など
カネ:銀行から新規借入な
外部要因:従業員数の増加原因、売上増加の要因、景気の良し悪しなど

(2)成功要因と悪化原因の分析
上記(1)の沿革をもとに成功要因と悪化原因の分析をし、リストアップします。たとえば、スーパーの場合、成功要因と悪化原因は次の通りです。

成功要因:有能な人材、銀行借入に成功した など
悪化原因:売上減少、過大な設備投資 など

(3)SWOT分析
SWOT分析とは、強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)のことを指し、スーパーを例にすると次のようになります。

強み:有能な人材、惣菜の味に定評がある など
弱み:過大な設備投資、商品ごとの収益性が把握できていない など
機会(景気・市場・競合 など): 大口の得意先への売上増加、取引先数社から新規見積依頼がある など
脅威(景気・市場・競合 など):同業他社のスーパーが近隣に出店予定 など

経営改善の方針

企業存続の成功要因と業績の悪化原因の分析をもとに、次の視点から経営改善の方針を策定します。前述のスーパーを例に見ていきましょう。

(1)強み
〇有能な人材を生かし、惣菜の味の質を確保するため、従業員の給与などのリストラはしない
〇ただし、時間管理を徹底して残業時間を極力増やさず、人件費を抑制する

(2)弱み
〇商品ごとの収益性を把握できる経理体制の確立
〇収益性の低い商品の取り扱いを止める
〇収益性の高い商品の販売に集中する

(3)チャンスを生かす
〇新規見積依頼をした取引先に対して、社長自ら訪問し営業を行う
〇営業担当者を補強する

(4)目標数値を定める
経営改善の方針を実行することで、「今期売上高は2億円確保する」など具体的な目標数値を定めましょう。

リストラ内容の策定

リストラとは再構築を意味し、経営改善計画では無駄の排除がメインになり、経費削減と財務リストラに区分できます。

(1)経費削減
経営改善の意思を金融機関に示すために、まずは社長自らの役員報酬の削減を約束しましょう。他の経費削減項目はおもに次の通りです。

〇残業代など削減可能な人件費
〇必要性の乏しい保険にかかる費用
〇義理で加入している団体の会費
〇消耗品費、事務用品費

(2)財務リストラ
不要不急の資産を処分して換金するのが財務リストラです。金融機関に対しては想定する売却価格および売却時期を提示しましょう。もちろん、処分が実行されない可能性があることを融資担当者は心得ています。処分対象のおもな資産は次の通りです。

〇ゴルフ会員権
〇リゾート会員権
〇株式や投資信託の有価証券
〇未稼働の土地建物
〇積立部分に該当する保険積立金

リスケジュールの依頼内容を明確する

依頼内容を明確するポイントは「リスケジュール後の返済額を約束しない」ことです。

経営改善計画が予定通りにいかず、返済できない場合、最悪「社長は嘘をついて」と言われかねません。見通しの立たないことまで約束するのはできるだけ控えましょう。

そのためには、リスケジュールの依頼内容は幾通りに解釈できる文言を排除することが大切になってきます。

たとえば、リスケジュール後に返済できるかどうか不明なら、経営改善計画書に「リスケジュールの期間終了後の元金返済額は経営改善の進捗(しんちょく)を見たうえで協議させていただきたいと考えています」という一文を盛り込むのも一つの手です。

すべての金融機関との取引内容を提示する

リスケジュールを依頼する場合、すべての金融機関の取引内容を融資担当者に提示する必要があります。リスケジュールはすべての金融機関に対して依頼するのが原則です。原則に反すると「衡平・公正・透明性」がない理由でリスケジュールの依頼を拒否する可能性が高くなるからです。

取引内容を提示する表は次の通りです。
(1)金融機関別取引一覧表
金融機関別の定期預金など担保預金、借入金、預貸率(担保預金÷借入金)を記載します。

(2)金融機関別借入金一覧表
金融機関別の借入金、返済額、金利、保証人や担保資産の有無などを記載します。

年間予定資金繰り表

年間予定資金繰り表は「リスケジュールに応じてもらえれば事業存続に問題ない」ことを証明する表です。そもそも借入金は現金預金で返済するため、資金繰り表によって返済能力が裏付けられます。

また、リスケジュールの期間中は金融機関から融資が受けらず、自力で資金繰りのやりくりをしなければなりません。そのため、月々のキャッシュフロー(現金収支)は月商の50%以上が望ましいといえます。

中長期経営計画書

中長期経営計画書の中長期とは、5年間を意味します。5年間の予定損益計算書を作成し、金融機関に完済の見通しが立つことを金融機関に示すことがポイントになります。

金融機関は「当期純利益+減価償却費(現金支出の伴わない費用)」を返済原資と考えるため、予定損益計算書に減価償却費を独立表示させることが必要になります。

認定支援機関の活用法

認定支援機関を最大限に活用するにポイントについて説明します。

計画数値の作成は認定支援機関に依頼する

年間予定資金繰り表や中長期経営計画書の作成は認定支援機関の得意分野です。たとえば、返済原資を求める際の減価償却費の計算には専門知識が欠かせません。

作成された計画数値を社長が検証する

経営改善を実施するのは社長自身であるため、作成された計画数値を検証する必要があります。たとえば、売上高の計画数値が妥当かどうかは認定支援機関より社長のほうが的確に判断できます。

経営改善計画書をブラシュアップする

経営改善計画書は経営改善に向けての羅針盤となるため、社長と認定支援機関がともに「作成→検証」のサイクルを繰り返すことでブラッシュアップをすることが大切になってきます。

資金繰り管理を認定支援機関に支援してもらうこともアリ

事例の飲食業は経営改善の一環として本業に専念するために、資金繰り管理を認定支援機関である税理士に支援してもらっています。

まとめ

経営改善計画を実施しようと思っても、何から手を付けていいのか分からなかったり、進捗管理をどうやって行い、現状把握や軌道修正などを自社のみで行うのには限界があります。

当事務所は、認定支援機関でもあるので、経営改善計画や経営計画作成から予実管理のお手伝いもしておりますので、お気軽にお声がけください。

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