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法人で加入している定期保険にメス!節税効果が少なくなる!?

カテゴリ:税務・経理・決算

公開日:

資金
保険の税制がかわり保険を節税商品として説明することができなくなっています。
今後は節税としての保険ではなく、保険本来の目的に立ち返った保険の契約が主流になっていきそうです。

定期保険にメス

過去、定期保険の全損型や半損型という保険に加入していた方は多いかと思います。
高い解約返戻率をうたい、節税もできるとあって利益の出ている会社がよく利用していました。
ただ、保険=節税商品という考え方に待ったがかかりました。

令和元年6月28日、国税庁から保険に関するパブリックコメントが発表されました。

参考URL:法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)(課法2-13、課審6-10、査調5-3)

簡単に要点をかいつまむと、高い解約返戻率をうたっていた保険商品は全損型の経費計上ができなくなり、解約返戻率に応じた割合を資産計上することになります。

今後、各保険会社がいろいろな商品を出してくるかと思うので要注目ですね!
ただ、過去に加入した保険にまでさかのぼって適用することはないとのことなので安心してくださいね。

節税のために入った保険の出口戦略は考えているか?

一度、今契約している保険の内容を確認してみてください。
契約の満期はいつになっていますか?

例えば、現在45歳の社長が加入している定期保険の満期が10年後にくるとしましょう。
その10年後に何もなく、ただ解約返戻率が一番高い時期だから保険の解約をしたらどうなるでしょうか?

答えは、保険の解約による入ってくるお金が全額収益に上がります。(保険積立金といった資産計上額がない場合)

もしも、10年後に社長が早期の勇退を考えていて、退職金として使うのであれば、保険の解約による収益は退職金で相殺できます。
この場合は税金対策もばっちりです。

一方、10年後だったらまだ55歳だからリタイヤする気もないし、まだまだ働きたいし、特にお金を遣う予定もないといった場合は、注意が必要です。
保険解約金は全額収益となり、税額が多額に発生する可能性が高いです。

つまり、保険解約金が生じる時期に大きな現金支出を伴うものがなければ、毎年行ってきた保険の支払(毎年の経費計上額)は単なる税金の繰延に過ぎず片手落ちの節税対策といわざるをえません。
だから収益が上がるときのことをしっかりと考える必要があります。

ご自身の考えているライフプランと満期の時期に大きなズレがないのでないのであれば、現在の保険を継続して加入し続けるのはよい手だと思います。

保険本来の目的に立ち返る

保険に加入したとき、どんな思いで加入したか覚えていますか?
もしかすると、「税理士事務所に良い節税対策だから」という理由で勧められてはいませんか?

今まではある意味それでもよかった部分もあるかもしれませんが、今後加入する保険に関しては節税という切り口がポイントではなくなるので、経営者自身がなぜ保険に入るのかをしっかり理解して加入することが大切になってきます。

事業保証対策としての保険

今、会社に銀行から借りている借入金はありますか?
もしも結構な額あるよ!という場合、社長ご自身に万が一のことがあったときのことを考えてみてください。

団体信用に加入している場合や保証協会付き融資なら最終的に残る借入金の返済額は少なくて済むかもしれません。

ただ、銀行からプロパーで借りた場合は、借り手が会社で、連帯保証人は社長個人というケースがほとんどです。
中小企業にとっては、社長に万が一のことがあるとその会社の経営自体が成り立たなくなることもあります。

経営が傾いたときに、借入金を返済できるお金はありますか?
連帯保証人に社長が入っていることは、社長個人に債務が降りかかってくることを意味しています。

万が一の時には社長個人の破産や今住んでいる家がなくなることだってあります。
もちろん銀行だって鬼ではないのでリスケジュール等で返済額や返済期間の見直しをしてくれますが・・。

事業保障対策というと小難しく聞こえますが、借入金の連帯保証債務分は返せるだけの保障を持っておきましょうと考えれば分かりやすいかと思います。

連帯保証債務の部分だけを考えれば保障額を自由に設定できる掛捨て型の保険も選択肢の一つとなります。
貯蓄型の保険にするか掛捨て型の保険にするかは、現在の会社の状況や必要な保障額から選択してください。

掛け捨て型に加入していても、契約の途中で転換といって貯蓄型の保険に切り替えることができるので資金的な問題から掛捨て型しか入れないという場合にも完全に無駄にならず有効活用できますよ。

事業の一時的なお金の用立てとしての保険

事業を継続していると急にお金を用立てないといけない場合もあります。
例えば、倒産した取引先が振り出した支払手形をもらっていた場合を考えてみてください。
他社にその手形を回していたとしたら、当社がその額を払わないといけませんし、銀行に取立に出していたら、その手形は入金されません。

銀行に融資をお願いする時間がない場合は、保険の契約者貸し付け制度は実に有効な手立てです。
ただし、利率が高いので必要な時だけ借りて、資金の急場をしのいだらさっと返しましょう。

退職金の積み立てとしての保険

経営者の勇退に当たっては多額の退職金が見込まれるので、その退職金の資金確保のために保険に加入するというのはかなりポピュラーな手法です。

節税を目的としないのであれば貯蓄型の定期保険は資産形成に実に役立ちます。(もちろん一部は経費になります。)
ご自身のライフプランにあわせて定期保険の満期日を設定してみてください。

従業員にかける養老保険もおすすめ

従業員の退職金の貯蓄としては養老保険もおすすめです。
ただ、こちらは税法的なことを考えると、従業員全員一律で加入する必要があります。

もしかすると中退共にはいっているから養老保険は必要ないよとお考えの方もいるかもしれませんね。
でも、中退共は退職すると必ず本人に退職金が支給されます。最近では常識では考えにくいような辞め方をすることがあると耳にします。
経営者も人ですから、最後に今まで大切に育ててきたつもりなのに、会社に砂をかけるようなマネをして辞めていった社員にまで退職金を払いたくないのが心情ではないでしょうか?

民間の養老保険であれば、会社にお金が入ってくるので退職金の払い方は自由です。
簡単な支給基準を作り、例えば勤続年数で3年以上のみとするのもよいかと思います。

また従業員の立場からすると、退職金規定があることで福利厚生が充実していると考えますので経営者・従業員ともにメリットがある保険ということもできそうです。

まとめ

税理士事務所は税務のエキスパートとして会社の全ての内容を理解しようと努めています。
会計処理を進めていると、どんな保険にいくら払っているのかも分かります。

税理士は保険の専門家ではありませんが、過去入った保険が今の実状にあっていないということはよくある話なので当事務所は保険内容をできるだけ確認するようにしています。
会社に合っていない保険に入っていると思ったときは一言声をかけさせて頂きますので、保険外交員や代理店に保険に内容の見直しをお願いするとよいかもしれませんね。

会社を守ること、経営者の家族を守ることといった意味ではやはり保険は大事だと思いますので、節税保険という切り口が少なくなった今、保険本来の意味に立ち返って考えてみてはいかがでしょうか?

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