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経理の採用時に見るべきポイント、求められるスキルとは

カテゴリ:税務・経理・決算

/公開日:2018年11月1日

節税
 適切な人材の採用は、どの職種でも採用担当者の頭を悩ませる課題です。会社の事業の成績のみならず、職場環境を左右させる責任のある業務が採用業務です。様々な職種の中でも経理は会社の数字を扱う非常に重要な役割を持つ部門です。会社の守備の要ともいえるでしょう。この経理担当者に不適切な人材を採用してしまうことの無いように、採用時の見るべきポイントをご紹介致します。

コミュニケーション能力

 どの職種でも挨拶などの一定のコミュニケーション能力は必要ですが、経理担当者は社内外の様々な人と折衝を行う仕事が多くあります。

 経理というと机上でパソコンや電卓を用いて伝票を処理する内向的な作業のようなイメージがありますが、折衝を行うコミュニケーション能力を用いないことには、経理処理作業をすることは出来ません。

 数字を扱う経理作業をするにあたり大雑把であったり、いいかげんな性格が過ぎる人は不適切であり、指示されたことを正確に遂行できることは勿論のこと、経理担当者自身からも細かい点に気が付き、連絡や質問を出来るコミュニケーション能力が必要です。

社内でのコミュニケーション

 経理担当者は会社全体の仕事内容を数値化させる仕事です。営業担当者の獲得をしてきた売上に対する請求書の発行や、使用した社用車のガソリン代の精算、総務担当者の購入した消耗品費の精算、人事担当者の採用した従業員の情報をもとに給与計算を行うなど他の担当者と連携を行う必要があります。

 また、これらの担当者のみならず、月次決算や資金繰り表といった会社の財政状態や経営成績を集計した結果を経営者に報告をする必要があります。様々な社内の立場の人から指示を受け、時には助言を、また不正な資金流出があれば問いただすことも行う必要があります。

 社内の数字を扱う役割として、中立的な毅然とした立場でコミュニケーションを行える能力が経理担当者には必要です。

社外とのコミュニケーション

 経理担当者は社内のみならず、融資を受ける際には銀行との折衝、取引先との入金や支払いの交渉、関与税理士がいればその税理士との会計帳簿に関する打ち合わせなど、社外の人と関わる必要があります。社外の人に対してコミュニケーションを上手く行えない場合は、会社の信用を失う可能性があります。

 また一般的なコミュニケーション能力のみならず、会社の数字は銀行や税務署など社外の人に説明すべき場面が多くありますので、それらを把握し説明する能力も経理担当者には必要です。

簿記の理解

 日々の会社の取引は複式簿記で会計帳簿に記録を行う必要があります。経理担当者の業務の中でも非常に重要な仕事は、正確な会計帳簿を作成することです。簿記を理解している人であれば、どのように会計帳簿に記録を行うかを判断が出来ますが、簿記を理解していない人であれば会計帳簿の作成が難しくなります。

 経理担当者の採用時には簿記の筆記試験を設けている会社や応募条件に簿記〇級以上など資格を求める会社もあります。

 必要である簿記の理解度は会社の規模によります。一般的には規模が小さい会社ほど簿記の理解度が少ない人でも経理担当者として勤めていますが、規模が大きい会社であるほど会計的に複雑な取引が多く、さらに国外でも事業を行う会社であれば国外の会計知識が求められます。

 現状で規模が小さい会社であっても、規模が大きくなり海外進出する可能性はありますので、経理担当者の簿記の理解度や会計知識は多いに越したことは無いといえるでしょう。

監査経験

 会計帳簿の作成をした際に、間違いが無いかと気が付ける能力が必要です。また帳簿に間違いが発見された場合、その原因はどこにあるのかを想定し、修正を行う必要があります。これは監査経験を積むことで習得が出来る能力です。

 応募条件に経験〇年以上といった監査経験を求める会社もあります。監査経験がない場合は自社で経理担当者の育成を行う必要があります。監査を行う上で会計帳簿の見るべきポイントを紹介します。

マイナスになっている勘定科目残高は無いか

 入力すべき仕訳を正しく行った後の会計帳簿は、その勘定科目の残高は0もしくはその時点のあるべき残高として正の数字となっているものです。マイナスになっているようであれば、使用すべき勘定科目が間違っていることや入力した金額が間違っているなど、何らかの修正が必要な事態が生じている場合が多いです。

 例えば売掛金の残高がマイナスになっている場合は、売上が生じた際の売掛金の増加を入力していない、または金額を間違えている、もしくは売掛金の入金が生じた際の会計処理を間違えているなどが考えられます。

異様に多いまたは少ない勘定科目残高は無いか

 会社の数字はある程度事業を行うと予測がつくようになります。特に費用科目のである水道光熱費や地代家賃は変動の少ない勘定科目です。

 例えば毎月決まった会社の家賃を支払っている場合、1年間事業を行うと月々の家賃の12倍が期末残高として計上されるべきですが、それが多いまたは少ない数字が残高として計上をされていると、何らかの会計処理を間違えていることが考えられます。

証憑があるものは、その証憑と会計帳簿が一致しているか

 預金通帳や借入金明細など現時点での正確な残高が分かる証憑がある勘定科目については、それらの証憑と会計帳簿の残高は一致をしている必要があります。

 大きなポイントをご紹介しましたが、ご紹介をしたポイント以外にも会社の事業と照らし合わせて帳簿が正しく作成されているかを確認する必要があります。

分析力

 会社の事業の結果として会計帳簿を作成しますが、正しい会計帳簿の作成のために監査経験は必要となります。その作成された会計帳簿を基にして分析を行う能力があるとなお良いです。

 分析を行う能力があれば、会社内のどの部門が事業の改善余地があるか、資金繰りは悪化する可能性が無いかなどを判断し、それらに対する適切な経営に対する助言を得ることが期待することが出来ます。

まとめ

 経理担当者を採用する際には、簿記や会計の知識のみならず、さらに監査経験や分析力がある人を選ぶと、経営者にとって良いパートナーとなることでしょう。各能力の高い人材を登用すれば、それに見合う給与の支給が必要ですが、それ以上に経理に関する能力を培うための時間、金銭的なコストの削減が見込め、かつ経営に関しての助言が得ることが出来れば会社の成長に大きく貢献してくれることでしょう。

 しかし最近は経理職の需要に対して供給が追い付いていない場合が多く、自社で育成を行い、能力を培う必要も多くあります。その際はコミュニケーション能力が高いと思われる人を選ぶことをお勧めいたします。コミュニケーション能力も他の能力と同様に業務に従事すると共に培われて身に着く部分もありますが、まずはコミュニケーション能力をはじめとする人間性が、一緒に働いて気持ちの良いと思える人が望ましいです。

 求めるような経理担当者が採用できない場合、自社では処理をしきれない、育成をどのように行えば良いかなど、経理業務に対してお困りのことがございましたら、弊社にご相談いただければと思います。
弊社は経理出身の者も在籍しておりますので、適切なアドバイスをさせていただきます。どうぞお気軽にお声掛けください。

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