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介護保険料は世帯分離で負担が少なくなる⁈世帯分離のメリットデメリット

カテゴリ:税務・経理・決算

公開日:

65歳以上の親と同一世帯で暮らす人は少なくなりません。65歳以上の介護保険料は、年金を年額18万円以上受給している人は、特別徴収というかたちで年金から差し引かれて納付を行います。

この介護保険料の通知書は毎年7月に65歳以上の方に送付されますが、「介護保険料が上がっている?」ということがあります。

何故年金収入だけの65歳以上の親の介護保険料が上がってしまうのか、介護保険料の仕組みをご紹介致します。

介護事業

介護保険料の仕組み

介護保険料は所得に応じて定められている

介護保険料は世帯収入により、以下の15段階に分かれて保険料が定められています。以下の表は名古屋市の令和元年度の介護保険料です。

1 生活保護等を受けている方、又は老齢福祉年金受給者で世帯全員が市町村民税非課税の方 24,927円
2 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の年金収入と合計所得金額(年金収入に係る所得分を除く)の合計が80万円以下の方 24,927円
3 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の年金収入と合計所得金額(年金収入に係る所得分を除く)の合計が80万円を超え120万円以下の方 40,266円
4 世帯全員が市町村民税非課税で、本人の年金収入と合計所得金額(年金収入に係る所得分を除く)の合計が120万円を超える方 55,605円
5 本人が市町村民税非課税で世帯員に市町村民税課税者がおり、本人の年金収入と合計所得金額(年金収入に係る所得分を除く)の合計が80万円以下の方 65,192円
6 本人が市町村民税非課税で世帯員に市町村民税課税者がおり、本人の年金収入と合計所得金額(年金収入に係る所得分を除く)の合計が80万円を超える方 76,696円
7 本人が市町村民税課税で合計所得金額が80万円未満の方 80,531円
8 本人が市町村民税課税で合計所得金額が80万円以上125万円未満の方 84,366円
9 本人が市町村民税課税で合計所得金額が125万円以上200万円未満の方 95,870円
10 本人が市町村民税課税で合計所得金額が200万円以上290万円未満の方 115,044円
11 本人が市町村民税課税で合計所得金額が290万円以上400万円未満の方 130,384円
12 本人が市町村民税課税で合計所得金額が400万円以上540万円未満の方 145,723円
13 本人が市町村民税課税で合計所得金額が540万円以上700万円未満の方 161,062円
14 本人が市町村民税課税で合計所得金額が700万円以上1,000万円未満の方 176,401円
15 本人が市町村民税課税で合計所得金額が1,000万円以上の方 191,740円

参考URL:名古屋市HP

保険料の算定は世帯毎の収入!

65歳以上の本人が毎年一定の金額の年金を受け取っていても、保険料の算定は世帯毎の収入によって行われます。

つまり同一世帯の本人以外の収入が上がる場合は、65歳以上の本人の収入が上がらない場合でも、介護保険料は上がることとなります。

これは65歳以上の本人が他の家族の扶養となっているかに関わらず、介護保険料の算定は行われます。

介護保険料の算定を65歳以上の本人だけの収入で行うためには

65歳以上の本人の収入が毎年一定の金額の年金であるのにも関わらず、介護保険料が上がってしまうとなると、特別徴収される65歳以上の本人には負担だけが増えてしまいます。

世帯毎の収入ではなく、本人だけの収入で市区町村に介護保険料の算定を行ってもらう方法として、世帯分離というものがあります。

世帯分離とは、同居をしながら住民票を分けて別の世帯とすることです。他の家族と65歳以上の本人との世帯を分けることで、65歳以上の本人のみの収入で介護保険料の算定が行われます。

世帯分離は市区町村窓口で手続きを行います。本人確認書類、印鑑、国民健康保険証、国民年金を支払っていくための通帳かそのキャッシュカードを持参し、市区町村役場で住民異動届に必要事項を記入し、提出を行います。

世帯分離のメリット、デメリット

メリット

世帯分離のメリットは介護保険料のように、世帯収入によって社会保障費が異なるものについて、分離をすることで負担が少なくなるものです。

介護保険料の他には、後期高齢者医療保険料、入院、介護施設入所時の食費や居住費、高額介護サービス費等があります。

例えば高額介護サービス費は、介護サービスを利用する場合に支払う利用者負担には月々の負担の上限額が設定されています。
1ヵ月に支払った利用者負担額の合計が負担の上限を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。

この上限額は世帯の家族が市区町村民税を課税される収入がある世帯は44,000円ですが、本人のみの世帯で市区町村民税を課税される収入が無く、前年の合計所得金額と公的年金 収入額の合計が年間80万円以下の人等は15,000円です。

つまり家族と世帯分離を行い、収入の少ない本人のみの世帯となった場合は、家族が収入のある世帯と比較して月29,000円もの高額介護サービス費の負担が減少します。

デメリット

世帯分離のデメリットは、まず手続きが煩雑になる事です。

市区町村役場で世帯分離を行った65歳以上の人の住民票を、他の家族が取得したいと考えた場合、同一世帯ではないため、65歳以上の人から委任状を受取ってからでないと、住民票の取得は出来なくなります。

また家族が65歳以上の親について、勤務先から扶養手当を受け取っていた場合、世帯が異なることでその扶養手当の受け取りのための条件から外れる場合があり、勤務先によっては扶養手当の支給が無くなる場合があります。

さらに、社会保障も全ての負担が少なくなるとはいえません。

例えば医療費控除は、世帯全員の医療費を合算して家族の中の任意の人に対して適用することが出来、所得税を減額することが出来ますが、世帯を分離することで、合算が出来なくなります。

合算が出来なくなることで、65歳以上の本人のみの世帯が支払った医療費は、65歳以上の本人の所得税からのみしか医療費控除を受けることが出来なくなり、65歳以上の本人が所得税を支払っていない場合は医療費控除の適用が出来なくなります。

家族が受けることが出来ていた医療費控除も、65歳以上の別世帯の人が支払った医療費分は、受けることが出来なくなります。

国民保険料においても、世帯合算で国民保険料の負担上限額が定められていますが、世帯分離を行うことで上限額が分散し、同居者全体の負担額が大きくなる可能性もあります。

このように世帯合算することでメリットがあったものについては、世帯分離することでデメリットとなる場合があります。

世帯分離の問題点

世帯の節約方法としての世帯分離を行うことが広く知られるようになってきていますが、その方法が世帯分離をせずに従来の方法で介護保険料等の算出を行い、納めている人からは不公平感を生んでいます。

社会保障制度は相互扶養の制度であるため、多くの人が世帯分離を行い納める保険料を少なくしてしまうと、社会保障制度が立ち行かなくなる場合もあります。

また世帯分離を行うにあたり、本来は生計が別であるという事実が必要ですが、その審査の基準も市区町村によって異なるため、世帯分離を希望する人の全てが認められるともいえません。

このように世帯分離を行うことは、違法なものではありませんが、様々な問題点があるのが実情です。

まとめ

様々な問題点はあるものの、世帯分離は介護保険料の負担を少なくしたいと考える際の一つの方法です。世帯分離を行いたい場合はメリット、デメリットを慎重に確認し、手続きを行うようにしましょう。

弊社では税務のみならず、社会保障等の関連業務に関してお困りのことがございましたら対応の出来る範囲で、ご相談に応じております。お気軽にご連絡くださいませ。

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