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黒字倒産を防げ!すぐに良くなる資金繰り改善の11のポイント!

カテゴリ:税務・経理・決算

/公開日:2018年5月5日

会計毎月の試算表を見るとつい売上だ、利益だと損益ばかりに目を向けがちです。
でも、損益ばかりに気を取られていると大きな落とし穴にはまることがあります。
それが黒字倒産です。

黒字倒産とは、「試算表上では毎月の売上は上がっているし、利益も出ている。けど、お金がない。」状況のことをさします。
資金繰りを考えた場合には、損益よりもお金の流れをしっかりと確認しないといけません。
今回は資金繰りを改善するために、どうすればよいのか具体策をお伝えしていきます。
資金繰りに頭を悩ませている方は是非参考になさってください。

損益計算書(P/L)よりも大事な見るべきポイントとは?

答えは貸借対照表(B/S)です。中でも、特に現金預金をみてください。
会社経営を人間の身体に例えますと、お金は血液に当たります。血液がなければ人は生きていくことはできません。
同じように会社にお金がなければ会社経営を存続させることはできません。
貸借対照表(B/S)が大事というのは、貸借対照表を見れば現金預金がいくらあるのか、もしくは現金に換えられる資産がどれくらいあるのかが一目瞭然だからです。

お金の流れを理解すれば黒字倒産は防げる!

黒字倒産とは、利益が出ているものの、会社の資金を使い果たした状態を指します。
例えば製造業で売上が急激に上がっている状況だとします。
製造業なので製品を作り納品することで売上は上がります。
製造業の仕入から売上までの流れは「仕入→支払→売上→入金」です。

入金と支払のタイミングを見てみると締め日等の関係もあるかと思いますので少なくとも1月程度の時間差があると予想されます。
急激に売上が上がるような状況だと、仕入支払額が大きく、前月の入金金額を超えて支払う状況があります。これこそが黒字倒産の原因です。
簡単に言うと、会社の支払能力を超えてしまうことだといえます。

仮に、その急激に増えた支払代金をなんとか乗り越えることができても、会社の通常の支払(給料や家賃など)は毎月発生しますので、その毎月分の支払いを決済することができず資金ショートを起こしてしまう可能性が高くなります。

お金の残高を意識する!

黒字倒産を避けるためには、まずは現金の残高をしっかり押させておきましょう。現金がうまく回りさえすれば、損益はマイナスでも会社自体は企業活動を行うことができます。

税理士事務所によってはこの現金の動きを表したキャッシュフロー計算書を毎月の試算表に添付する事務所もあるかと思います。このキャッシュフロー計算書は毎月どれだけお金が増えたのか、それとも減ったのかを判断する資料となります。
このキャッシュフロー計算書が毎月の試算表にないという方は、貸借対照表の現金預金の増減を注意してみてください。

キャッシュフローを良くする11のポイント

それでは、毎月の資金繰りをよくするためにはどうしたらよいのかをいくつか確認していきましょう。

【売上面】

  • 売上先に入金時期を交渉する
  • 売上先に受取手形から振込に変更してもらう
  • 売上先に金額基準を設ける

・売上先に入金時期を交渉する 
売上先が自社よりも強者(大手企業)の場合は難しいですし、同規模の売先であってもうまく交渉しないと、お金がないと思われ信用を失う危険性があります。
ポイントは何か理由付けすることです。
新しい取引が増えたのであれば、その新たな取引分だけの入金サイトを交渉するのがポイントです。

・売上先に受取手形から振込に変更してもらう
売上先が自社よりも強者(大手企業)の場合には変更は難しいです。
ただ、売上先が同規模程度の会社の場合であれば決算のタイミングで来期から取引条件を変えてほしいというのもありです。
この条件変更が認められれば、現金化までのサイトが一気に短縮します。

・売上先に金額基準を設ける
こちらは売上金額が例えば20万以下は手形(電手含む)ではなく、振込にしてほしいと依頼するやり方です。金額が大きくないからこそ手形ではなく、振込にしてほしいというのは自然な理由です。

【支払面】

  • 支払サイトを長くする
  • 支払手数料を一定金額以上は相手先負担にする
  • 社員への給料を締め日から徐々に伸ばす
  • すぐに仕入なくてもよいものに関しては仕入を止める

・支払サイトを長くする
もし支払い先が下請け業者である場合、下請法の適用を受ける場合がありますので現物の受取から2か月以内に支払う必要がありますが、下請け業者でない場合には支払サイトの交渉をしたり、新規の取引業者に対しては自社の支払サイトは通常よりも長い日数で交渉することもできます。

・支払手数料を一定金額以上は相手先負担にする
振込手数料は請求書によっては負担するように記載してあるときもありますが、長いこと取引しているお客様であれば、例えば3万円以上の場合は手数料を相手先負担でお願いするのも一つの手です。
細かい支払いが毎月100件近くあれば、月額2万円近くを削減できることもあります。

・社員への給料を締め日から徐々に伸ばす(例 末締→翌10日から末締→翌25日)
売上代金が入ってくるまでに従業員の給料を支払う会社の場合、給与締め日と支払日が近いと資金繰りでツライ場面もあるかと思います。
そこを売上代金の回収日にできるだけ近づけることができると、払う金額は変わらないものの資金繰りはかなり楽になります。
ただ、給与の支払サイトを伸ばすのは従業員全員に了解を取りながら少しずつ少しずつ伸ばしていくのがコツ。3-5年くらいかけて支払サイトを伸ばしていけると資金的な余裕が全然違ってきます。

・すぐに仕入なくてもよいものに関しては仕入を止める
資金繰りに窮している場合は、余計な仕入をしないのが鉄則です。必要最小限の仕入にすることで支払額を押さえるのが有効です。
(反対に資金的に余力があれば、時間の経過で劣化しないものに限り、まとめ買いで値引き交渉をするというのも手です。)

【現金関係】

  • 融資を受ける
  • 融資が何本もあればまとめることで現金支出額が減る
  • 助成金を活用する

・融資を受ける
資金繰りをよくする方法は、売先の入金条件を変える、支払先の支払い条件を変えるがメインですが、融資を受けるのも手です。
血液が足りないなら輸血しましょうという考え方です。
ただ、銀行は雨が降っているときに傘を貸してくれないもの。
今の損益の状況はよいけれど、先はあまり芳しくないとわかっているのであれば今のうちに手を打つと融資に成功する可能性は高くなります。

・融資が何本もあればまとめることで現金支出額が減る
たとえば、同じ銀行で少額で何本も融資を受けている場合には、そのすべての融資のおまとめができれば、そこから5年とかの返済期間になるため毎月の返済金額が少なくなるケースがあります。

・助成金を活用する
一例がキャリアアップの助成金です。正社員化コースをうまく活用することで資金繰りはかなり楽になります。

参考URL:厚生労働省 キャリアアップ助成金

【経費削減面】

  • 経費削減をする

・経費削減をする
非常に細かいことばかりですが、塵も積もればなんとやら。
年額にするとバカにできない金額になったりします。

経費削減例

・高速道路は乗換時に料金が課されるものなので乗換を減らす。
(例)名古屋から東海北陸方面に行く場合には、名古屋高速に乗らずに、一宮木曽川ICから乗る

・採用時に同じような条件の人がいれば、通勤費の安い方を採用する

・複合機のコピーカウント料が安いメーカーと契約する

・外注していたものを社内で工夫してこなす

まとめ:入金は早く、支払いは遅くが鉄則。

いかがでしたか?中小零細企業の悩みの大多数が資金繰りだと思います。
社長や経営陣であれば、お金のことよりも「どうしたら会社が良くなるのか」を考えたいと思っているハズ!?
少しの改善で、会社の経営がグッと楽になりますので、ぜひお試しください。

また上記以外にも資金繰りを改善する方法はたくさんあります。もし資金繰りでお困りの際は是非ご相談ください。

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